
MAJOR ARCANA · XVII
星The Star
もう一度、信じてもいい
星の原画を読む
描かれたもの6か所に番号を付けました。番号を押すと、その部分について Waite が書いた一文と和訳、補足が読めます。
八芒の大きな星
A great, radiant, star of eight rays, surrounded by seven lesser stars—also of eight rays.
8本の光を放つ大きく輝く星が、同じく8本の光を持つ7つの小さな星に囲まれている。
原画で数えると、大きな星が1つ、白い小さな星が7つ。いずれも光が8本です。
ひざまずく女性
The figure expresses eternal youth and beauty.
この姿は、永遠の若さと美を表している。
原典は「まったくの裸」と明記しています。若さと美の像として描かれた人物です。
陸の膝と水の足
Her left knee is on the land and her right foot upon the water.
左の膝は陸に、右の足は水の上にある。
14番・節制の天使も、片足を陸に、片足を水に置いています。
2つの水差し
She pours Water of Life from two great ewers, irrigating sea and land.
彼女は2つの大きな水差しから命の水を注ぎ、海と陸を潤している。
片方の水は池へ、もう片方は陸へ。陸へ注がれた水はいくつもの流れに分かれて池へ戻っていきます。
木にとまる鳥
on the right a shrub or tree, whereon a bird alights
右には低木か木があり、そこに鳥がとまっている。
原画の鳥は赤く小さい。原典は鳥の種類を書いていません。
背後の丘
Behind her is rising ground
背後には、なだらかに高まる土地がある。
画面の中ほどを横切る緑の丘。その上に星空が広がっています。
原典の占的意味と、消えた語
Waite は本書の第3部で、各札に占いで使う語を短く並べました。
正位置
Loss, theft, privation, abandonment; another reading says—hope and bright prospects
喪失、盗難、欠乏、見捨てられること。別の読みでは――希望と明るい見通し。
逆位置
Arrogance, haughtiness, impotence.
傲慢、尊大、無力。
原典と、いまのキーワード
原典の正位置は意外にも「喪失、盗難、欠乏、見捨てられること」から始まり、「希望と明るい見通し」は別の読みとして後に添えられています。現代のキーワードは、この後半だけを採ったものです。逆位置は「傲慢、尊大、無力」で、現代の「高望み」に近い語が残っています。希望を読むときも、何かを失ったあとの希望として受け取ると、原典の順序に沿います。
いまのキーワードから消えた語
- Loss, theft喪失、盗難
- 正位置の筆頭は「喪失・盗難・欠乏・見捨てられること」。現代の筆頭キーワード「希望」は、原典では「別の読み」として後ろに添えられています。
- haughtiness尊大(逆位置)
- 逆位置は「傲慢・尊大・無力」。希望が反転すると失望ではなく、思い上がりになる、という読みです。
原典メモ
The summary of several tawdry explanations says that it is a card of hope.
いくつかの安っぽい説明をまとめると、これは希望の札だということになる。
現代の筆頭キーワード「希望」を、Waite は安っぽい説明の要約として紹介しています。備えのある多くの人には「覆いを取った真理」に見えるとしつつ、Waite 自身は彼女をカバラのビナー(大いなる母)だとしています。
現代の読み方
星は塔(16)の崩壊の後に訪れる、深い癒しと希望を象徴する。失ったものの中から、本当に必要だったものが姿を現す静かな時期。占いで現れたとき、それは「もう一度信じてもいい」という許可と、長い回復への入り口を告げる。
正位置
- 状況
- 深い試練のあと、希望と癒しの時間がそっと訪れています。
- 内面
- 「もう一度信じてみたい」という静かな望みが、心の底で再起動しているはず。
- 行動のヒント
- 今日は夜空・水・植物のいずれかに5分だけ意識を向け、自分の願いを思い出してください。
逆位置
- 状況
- 希望が見えず、自分の願いに鈍感になっている疲労状態かもしれません。
- 内面
- 「期待してまた裏切られるのが怖い」という古い記憶が顔を出していませんか。
- 行動のヒント
- 今日は叶えたい願いを紙に書き、丸めて引き出しに入れるだけで構いません。
恋愛・仕事・人間関係で出たとき
星が恋愛で出たときの意味は?
傷ついた後の柔らかな再開。新しい出会い、または関係の本質への回帰。
星が仕事で出たときの意味は?
長い努力が静かに芽を出す段階。派手さはないが静かな前進。
星が人間関係で出たときの意味は?
本当に大切な人との繋がりの再認識。質の高い関係への再編。
「星」のテーマを、誰かに話しながら整理したくなったら。
電話占いの選び方と、使いすぎを防ぐルール →伝統的な対応
Golden Dawnではヘブライ文字「ツァディ(釣針)」、占星術上は水瓶座、生命の樹ではネツァからイェソドへ降りる第28の道に対応する。古代エジプトの女神ヌト(夜空)や、メソポタミアの女神イシュタル/イナンナとの図像的繋がりが指摘される。
Waite は当時広く行われていたヘブライ文字の対応を本書で採っていません。理由の二つ目:
secondly, because nearly every attribution is wrong.
第二に、ほぼすべての対応が誤っているからである。
ほかの札と並んだとき
この札を引いたあなたへ
出典
- 英文:A. E. Waite『The Pictorial Key to the Tarot』(Wikisource・1910/1922刊)第1部・第2部・第3部
- 原画:Wikimedia Commons「RWS1909 - 17 Star.jpeg」(Pamela Colman Smith〈1878–1951〉画・1909年 Rider 社刊・パブリックドメイン)
- 和訳と解説は当サイトによるもの。占いの結果は娯楽としてお楽しみください。


