運命の輪(Wheel of Fortune)の原画。1909年 Rider 社刊、Pamela Colman Smith 画

MAJOR ARCANA · X

運命の輪Wheel of Fortune

回り続けるものの、中心に立つ

正位置転機好機運命流れに乗る変化

逆位置不運行き違い停滞悪循環タイミングのずれ

運命の輪の原画を読む

描かれたもの5か所に番号を付けました。番号を押すと、その部分について Waite が書いた一文と和訳、補足が読めます。

原典に記述あり独自の観察
  1. 頂上のスフィンクス

    The Sphinx is the equilibrium therein.

    スフィンクスは、その中の均衡である。

    回る輪の上で剣を立て、ひとりだけ動かずに座っています。Waite は、スフィンクスを輪から離れた台座に座らせる図柄は「動きの中の安定」という核心を台無しにする、と批判しています。

  2. 輪の文字

    The transliteration of Taro as Rota is inscribed on the wheel, counterchanged with the letters of the Divine Name

    輪には Taro を Rota と綴り替えた文字が、神の名の文字と交互に刻まれている。

    外周の T・A・R・O を時計回りに読むと TARO、R から読めば ROTA(ラテン語で輪)。原典は触れていませんが、逆回りに読むと TORA となり、女教皇の巻物の文字と同じになります。

  3. 左を下る蛇

    I have, however, presented Typhon in his serpent form.

    ただし、わたしはテュポンを蛇の姿で描いた。

    テュポンはギリシア神話の怪物で、エジプトのセトと同一視されてきた存在。輪の左側を下へ向かっています。

  4. 四隅の生き物

    the four Living Creatures of Ezekiel occupy the angles of the card

    エゼキエルの4つの生き物が、札の四隅を占めている。

    天使・鷲・牛・獅子。原画では4者とも本を開いています。同じ4者は21番・世界の四隅にも現れます。

  5. 右を上る犬頭の姿

    These are replaced in the reconstruction by a Hermanubis rising with the wheel

    これらは再構成では、輪とともに上るヘルマヌビスに置き換えられている。

    ヘルマヌビスはヘルメスとアヌビスを合わせた犬頭の神。Waite は第1部で古い札の怪物が「再構成」ではこの姿に置き換えられたと書き、第2部で、この札でもエリファス・レヴィの再構成に従ったと述べています。

原典の占的意味と、消えた語

Waite は本書の第3部で、各札に占いで使う語を短く並べました。

正位置

Destiny, fortune, success, elevation, luck, felicity.

運命、幸運、成功、向上、つき、至福。

逆位置

Increase, abundance, superfluity.

増加、豊かさ、ありあまること。

原典と、いまのキーワード

正位置は「運命、幸運、成功、向上、つき、至福」と、現代とほぼ同じ明るさです。違うのは逆位置で、Waite は「増加、豊かさ、ありあまること」と書きました。現代の「不運・悪循環」とは逆向きで、逆位置にも良い語が並ぶ札の一つです。原典に従うなら、逆位置は回転が止まるというより、ありあまるほど増える、と読む余地があります。

いまのキーワードから消えた語

abundance豊かさ(逆位置)
逆位置なのに「増加・豊かさ」。原典では、逆さの輪が不運を意味していません。現代の解説との差がもっとも大きい札の一つです。
superfluityありあまること(逆位置)
多すぎること。豊かさが行き過ぎた側の意味です。
elevation向上
高く引き上げられること。輪の上へ運ばれる動きとして読めます。

原典メモ

Behind the general notion expressed in the symbol there lies the denial of chance and the fatality which is implied therein.

この象徴が表す一般的な観念の背後には、偶然の否定と、そこに含まれる宿命とがある。

「運命の輪」という名前に反して、Waite はこの札に偶然を否定する意味を読んでいます。

現代の読み方

運命の輪は人の意志を超えた循環を象徴する。良い時も悪い時も永続せず、やがて巡ってくる。中央には動かないもの(中心軸)があり、それは「いまこの瞬間に立ち会う自分の意識」。占いで現れたとき、流れに逆らわず乗ることがテーマになる。

正位置

状況
自分の意志を超えた流れが、動きはじめているようです。
内面
「全部自分でコントロールしたい」を手放したくなる気持ちがあるはず。
行動のヒント
今日は計画外のお誘い・チャンスがあれば、迷いすぎずYesと言ってみてください。

逆位置

状況
うまくいかない流れを、自分の力だけで変えようと消耗しているかもしれません。
内面
「なぜ自分だけ」という被害感情が、視野を狭めていませんか。
行動のヒント
今日は変えられないことのリストを書き、その横に「では何ならできるか」を書いてください。

恋愛・仕事・人間関係で出たとき

運命の輪が恋愛で出たときの意味は?

予期せぬ出会い・再会・関係の急展開。流れに身を任せる時期。

運命の輪が仕事で出たときの意味は?

転機・異動・新規プロジェクト。計画通りでない動きが好転を生む。

運命の輪が人間関係で出たときの意味は?

縁の入れ替わり。去る人と新しく出会う人が同時に現れる。

「運命の輪」のテーマを、誰かに話しながら整理したくなったら。

電話占いの選び方と、使いすぎを防ぐルール →

伝統的な対応

Golden Dawnではヘブライ文字「カフ(掌)」、惑星では木星、生命の樹ではケセドからネツァへ降りる第21の道に対応する。中世のヨーロッパでは「フォルトゥナの輪」(女神フォルトゥナの回す運命の輪)として広く知られた図像で、ボエティウス『哲学の慰め』に基づく。

Waite は当時広く行われていたヘブライ文字の対応を本書で採っていません。理由の二つ目:

secondly, because nearly every attribution is wrong.

第二に、ほぼすべての対応が誤っているからである。

ほかの札と並んだとき

この札を引いたあなたへ

運命の輪を引いたあなたは、コントロールできないものを受け入れる練習の時期にいます。今日は計画外のお誘い・チャンスがあれば、迷いすぎずYesと言ってみてください。

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扇に並んだ22枚から1枚を選ぶ、無料のタロット占いです。

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出典

  • 英文:A. E. Waite『The Pictorial Key to the Tarot』(Wikisource・1910/1922刊)第1部・第2部・第3部
  • 原画:Wikimedia Commons「RWS1909 - 10 Wheel of Fortune.jpeg」(Pamela Colman Smith〈1878–1951〉画・1909年 Rider 社刊・パブリックドメイン)
  • 和訳と解説は当サイトによるもの。占いの結果は娯楽としてお楽しみください。