節制(Temperance)の原画。1909年 Rider 社刊、Pamela Colman Smith 画

MAJOR ARCANA · XIV

節制Temperance

極端の間に、ほんとうの調和がある

正位置節度調和融合穏やかさバランス

逆位置偏り不調和行き過ぎちぐはぐ焦り

節制の原画を読む

描かれたもの6か所に番号を付けました。番号を押すと、その部分について Waite が書いた一文と和訳、補足が読めます。

原典に記述あり独自の観察
  1. 額の太陽

    A winged angel, with the sign of the sun upon his forehead

    額に太陽のしるしをつけた、翼のある天使。

    額の小さな円が太陽のしるし。背後の光輪と重なって見えます。

  2. 胸の四角と三角

    on his breast the square and triangle of the septenary

    胸には七を表す四角と三角がある。

    四角(4)の中に三角(3)。合わせて7です。

  3. 2つの杯

    It is held to be pouring the essences of life from chalice to chalice.

    それは命の精を、杯から杯へと注ぎ移しているとされる。

    流れは上の杯から下の杯へ、斜めに描かれています。

  4. 陸と水の足

    It has one foot upon the earth and one upon waters

    片足を地に、片足を水に置いている。

    17番・星の女性も、片膝を陸に、片足を水に置いています。2枚を並べると構図が呼応しているのがわかります。

  5. 山へ続く道と冠

    above there is a great light, through which a crown is seen vaguely

    その上には大きな光があり、そこに冠がおぼろげに見える。

    左奥の水辺から山のあいだへ道がのびています。原典の言う「冠」は光の中にかすかに描かれ、小さな画面では見えにくい部分です。

  6. 黄色いアヤメ

    原典に記述なし

    右手前の水辺に黄色い花。原典は花について何も書いていません。

原典の占的意味と、消えた語

Waite は本書の第3部で、各札に占いで使う語を短く並べました。

正位置

Economy, moderation, frugality, management, accommodation.

節約、節度、倹約、切り盛り、折り合い。

逆位置

Things connected with churches, religions, sects, the priesthood, sometimes even the priest who will marry the Querent; also disunion, unfortunate combinations, competing interests.

教会・宗教・宗派・聖職にかかわる事柄。ときには質問者の結婚式を執り行う聖職者まで。また不和、不運な組み合わせ、利害の対立。

原典と、いまのキーワード

正位置の「節約、節度、倹約、切り盛り、折り合い」は、現代の「節度・調和」より、暮らしの段取りに近い語です。逆位置は大きくずれ、「教会・宗教・宗派・聖職にかかわる事柄」から始まって、質問者の結婚式を執り行う聖職者にまで及びます。現代のキーワードには残っていない読みですが、続く「不和、利害の対立」は現代の「不調和」に通じます。

いまのキーワードから消えた語

Things connected with churches教会にかかわる事柄(逆位置)
逆位置の筆頭は「教会・宗教・宗派・聖職」。さらに「質問者の結婚式を執り行う聖職者」まで挙げる、きわめて具体的な読みです。
management切り盛り
正位置は節約・倹約・切り盛り。心の節度だけでなく、暮らしをやりくりする札でもありました。
competing interests利害の対立(逆位置)
混ぜ合わせる札が逆さになると、混ざらないもの同士の対立になります。

原典メモ

the figure is neither male nor female

この姿は、男でも女でもない。

Waite はさらに、この札が「節制」と呼ばれるのは、意識の中で心と物質の性質を和らげ、混ぜ合わせ、調和させるからだと書いています。

現代の読み方

節制は対立する2つの統合を象徴する。熱湯と冷水を混ぜて適温を作るように、極端な感情・選択肢・要素を中和する錬金術的プロセス。占いで現れたとき、二者択一ではなく統合を探る時期を告げる。

正位置

状況
極端を避け、ちょうど良いブレンドを探る穏やかな流れに入っています。
内面
頑張りすぎず、休みすぎず、自然な中庸でいたい欲求が高まっているはず。
行動のヒント
今日は予定の8割で止め、空いた2割で休むかゆっくり歩いてみてください。

逆位置

状況
バランスが崩れ、特定の何かに偏って消耗している自覚はありませんか。
内面
極端な解決策に飛びつきたい誘惑が、内側で疼いているかもしれません。
行動のヒント
今日は「やりすぎ」と「休みすぎ」のどちらに傾いているか、ひとつだけ確認してください。

恋愛・仕事・人間関係で出たとき

節制が恋愛で出たときの意味は?

違う価値観の調和。妥協ではない、お互いを活かす関係への成熟。

節制が仕事で出たときの意味は?

チームワーク・調整役・コラボレーション。極端から中庸へのシフト。

節制が人間関係で出たときの意味は?

対立する人々の橋渡し。中立な立場で価値を発揮する。

「節制」のテーマを、誰かに話しながら整理したくなったら。

電話占いの選び方と、使いすぎを防ぐルール →

伝統的な対応

Golden Dawnではヘブライ文字「サメフ(支柱)」、占星術上は射手座、生命の樹ではティファレトからイェソドへ降りる第25の道に対応する。中世の「Temperantia(節制)」の擬人像から発展し、ワインを水で割って飲む節度を象徴した古典的モチーフ。

Waite は当時広く行われていたヘブライ文字の対応を本書で採っていません。理由の二つ目:

secondly, because nearly every attribution is wrong.

第二に、ほぼすべての対応が誤っているからである。

ほかの札と並んだとき

この札を引いたあなたへ

節制を引いたあなたは、極端から中庸へ戻る時期にいます。今日は予定の8割で止め、空いた2割で休むかゆっくり歩いてみてください。

今日の1枚を引いてみる

扇に並んだ22枚から1枚を選ぶ、無料のタロット占いです。

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出典

  • 英文:A. E. Waite『The Pictorial Key to the Tarot』(Wikisource・1910/1922刊)第1部・第2部・第3部
  • 原画:Wikimedia Commons「RWS1909 - 14 Temperance.jpeg」(Pamela Colman Smith〈1878–1951〉画・1909年 Rider 社刊・パブリックドメイン)
  • 和訳と解説は当サイトによるもの。占いの結果は娯楽としてお楽しみください。