死神(Death)の原画。1909年 Rider 社刊、Pamela Colman Smith 画

MAJOR ARCANA · XIII

死神Death

終わりは、新しい始まりの別名

正位置終わり区切り変容手放す再出発

逆位置停滞未練先延ばし変化への抵抗惰性

死神の原画を読む

描かれたもの6か所に番号を付けました。番号を押すと、その部分について Waite が書いた一文と和訳、補足が読めます。

原典に記述あり独自の観察
  1. 鎧の骸骨

    the crude notion of the reaping skeleton

    刈り取る骸骨という、粗い観念。

    旧来の図柄は大鎌で首を刈る骸骨でした(第1部)。この版では鎧を着て白馬に乗る騎士に描き替えられています。

  2. 黒旗の白いバラ

    bearing a black banner emblazoned with the Mystic Rose, which signifies life.

    神秘のバラを描いた黒い旗を掲げている。そのバラは生を意味する。

    死の札の中心に描かれているのは「生」を意味するバラ。原画の旗では、白いバラが黒地に大きく描かれています。

  3. 武器を持たない騎士

    The horseman carries no visible weapon

    騎手は目に見える武器を持っていない。

    手にしているのは旗だけ。原典はその前の文で、騎手は「ゆっくり進む」と書いています。

  4. 2本の塔のあいだの太陽

    there shines the sun of immortality

    不死の太陽が輝いている。

    太陽が昇るのか沈むのか、原典は語りません。2本の柱のあいだという構図は、18番・月の2つの塔とも重なります。

  5. 倒れた王

    king and child and maiden fall before him

    王も子どもも乙女も、彼の前に倒れる。

    身分も年齢も問わない、という並べ方。王冠が地面に転がっています。

  6. 手を合わせる聖職者

    while a prelate with clasped hands awaits his end

    一方、手を合わせた高位の聖職者は自らの最期を待っている。

    倒れる者たちの中で、この人物だけが立ったまま騎士と向き合っています。

原典の占的意味と、消えた語

Waite は本書の第3部で、各札に占いで使う語を短く並べました。

正位置

End, mortality, destruction, corruption; also, for a man, the loss of a benefactor; for a woman, many contrarieties; for a maid, failure of marriage projects.

終わり、死すべき定め、破壊、腐敗。また、男性にとっては恩人を失うこと、女性にとっては多くの食い違い、未婚の女性にとっては結婚の計画の失敗。

逆位置

Inertia, sleep, lethargy, petrifaction, somnambulism; hope destroyed.

惰性、眠り、無気力、石のように固まること、夢遊。打ち砕かれた望み。

原典と、いまのキーワード

正位置は「終わり、死すべき定め、破壊、腐敗」と率直です。続けて、男性には恩人を失うこと、女性には多くの食い違い、と質問者ごとの語まで挙げています。現代の「変容・再出発」は、原典の語の列には見当たらない読み方です。逆位置の「惰性、眠り、無気力、石のように固まること」は、現代の「停滞・惰性」とよく一致します。

いまのキーワードから消えた語

the loss of a benefactor恩人を失うこと
当時の占い本は、相談者の立場(男性・女性・未婚の女性)ごとに意味を分けていました。現代の解説ではほぼ消えた書き方です。
petrifaction石のように固まること(逆位置)
逆位置は眠り・無気力・石化・夢遊。終わりそのものではなく、終われずに固まる方向として書かれています。
somnambulism夢遊(逆位置)
眠ったまま歩くこと。動いてはいるのに目覚めていない状態です。

原典メモ

The veil or mask of life is perpetuated in change, transformation and passage from lower to higher

生の覆い、あるいは仮面は、変化と変容、低いものから高いものへの移行のうちに受け継がれていく。

この札は肉体の死を告げるものとしてではなく、変化と移行の札として書かれています。

現代の読み方

死神は物理的な死ではなく変容を象徴する。古い形が崩れ、新しい形が生まれるプロセスそのもの。蠍座が示すように、表面の死の下で深い変化が起きている。占いで現れたとき、終わらせる必要のあるもの──関係・習慣・自己像──を告げる。

正位置

状況
古い形が終わり、新しい形が生まれる「変容」のプロセスの中にいます。
内面
「これまで通り」が無理だと、心の奥ではすでに気づいているのではないでしょうか。
行動のヒント
今日は終わらせるべきことを1つ選び、儀式的に「終わった」と宣言してください。

逆位置

状況
本当は終わっているものを、執着で引き延ばし苦しさを長引かせています。
内面
「手放したら何も残らない」という恐れが、変化を拒ませているかもしれません。
行動のヒント
今日は手放すものではなく、その先に「残るもの」を3つだけ書き出してください。

恋愛・仕事・人間関係で出たとき

死神が恋愛で出たときの意味は?

関係のフェーズ転換。形を変えるか、終わらせるか。古い殻を脱ぐ時期。

死神が仕事で出たときの意味は?

退職・転職・事業整理。終わらせる勇気が次の扉を開く。

死神が人間関係で出たときの意味は?

縁の整理。離れる人と新しく繋がる人の入れ替わり。

「死神」のテーマを、誰かに話しながら整理したくなったら。

電話占いの選び方と、使いすぎを防ぐルール →

伝統的な対応

Golden Dawnではヘブライ文字「ヌン(魚)」、占星術上は蠍座、生命の樹ではティファレトからネツァへ降りる第24の道に対応する。マルセイユ版では番号「13」のまま骸骨が鎌で人体を刈り取る図像で、Waiteはより象徴的な「白馬の騎士」へと改めた。

Waite は当時広く行われていたヘブライ文字の対応を本書で採っていません。理由の二つ目:

secondly, because nearly every attribution is wrong.

第二に、ほぼすべての対応が誤っているからである。

ほかの札と並んだとき

この札を引いたあなたへ

死神を引いたあなたは、終わっているのに引き延ばしているものに気づいています。今日は終わらせるべきことを1つ選び、儀式的に「終わった」と宣言してください。

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扇に並んだ22枚から1枚を選ぶ、無料のタロット占いです。

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出典

  • 英文:A. E. Waite『The Pictorial Key to the Tarot』(Wikisource・1910/1922刊)第1部・第2部・第3部
  • 原画:Wikimedia Commons「RWS1909 - 13 Death.jpeg」(Pamela Colman Smith〈1878–1951〉画・1909年 Rider 社刊・パブリックドメイン)
  • 和訳と解説は当サイトによるもの。占いの結果は娯楽としてお楽しみください。