塔(The Tower)の原画。1909年 Rider 社刊、Pamela Colman Smith 画

MAJOR ARCANA · XVI

塔The Tower

崩れたあとに、本当の地面が見える

正位置崩壊急変衝撃目覚め解放

逆位置くすぶる不安緊張小さな衝撃閉塞先延ばし

塔の原画を読む

描かれたもの6か所に番号を付けました。番号を押すと、その部分について Waite が書いた一文と和訳、補足が読めます。

原典に記述あり独自の観察
  1. 稲妻

    It is a card in particular of unforeseen catastrophe.

    とりわけ、予期せぬ大災厄の札である。

    絵柄の描写ではなく占的意味(第3部)の一文。右上から斜めに走る稲妻が塔の頂を打っています。

  2. 塔

    it is the ruin of the House of Life, when evil has prevailed therein, and above all that it is the rending of a House of Doctrine

    それは悪がはびこったときの「生命の家」の崩壊であり、何よりも「教義の家」が引き裂かれることである。

    Waite は、この塔はそれまでの札の柱と比べて特別に物質的なものではない、とも書いています。

  3. 左に落ちる人

    The one is the literal word made void

    ひとりは、空しくされた字義どおりの言葉である。

    Waite は、2人の落下者を説明できない従来の解釈は不十分だと指摘し、2人を「言葉」とその「誤った解釈」に当てています。

  4. 右に落ちる人

    the other its false interpretation

    もうひとりは、その誤った解釈である。

    右の人物は頭から落ちています。左右で衣の色が違います。

  5. 吹き飛ぶ冠

    原典に記述なし

    塔の頂にのっていた冠が、稲妻に打たれて外れかけています。

  6. 降る火の粒

    原典に記述なし

    黄色い火の粒が塔の左右に降っています。

原典の占的意味と、消えた語

Waite は本書の第3部で、各札に占いで使う語を短く並べました。

正位置

Misery, distress, indigence, adversity, calamity, disgrace, deception, ruin. It is a card in particular of unforeseen catastrophe.

惨めさ、苦悩、窮乏、逆境、災難、不名誉、欺き、破滅。とりわけ、予期せぬ大災厄の札である。

逆位置

According to one account, the same in a lesser degree; also oppression, imprisonment, tyranny.

ある説では、同じことがより軽い程度で。また抑圧、投獄、暴政。

原典と、いまのキーワード

正位置の「惨めさ、苦悩、窮乏、逆境、災難」は現代の「崩壊・衝撃」と同じ向きで、Waite は「とりわけ、予期せぬ大災厄の札である」と言い切っています。現代の「目覚め・解放」は、原典の列には見当たりません。逆位置は「同じことが、より軽い程度で」に加えて「抑圧、投獄、暴政」。崩れ方が小さいぶん、閉じ込められる側面が前に出る、という読みです。

いまのキーワードから消えた語

deception欺き
崩れるものの中に「欺き」。Waite がこの塔を「偽りの家」と見る読みと重なります。
imprisonment投獄(逆位置)
逆位置は「同じことの軽い形」に加えて、抑圧・投獄・暴政。崩れずに閉じ込められる方向です。

原典メモ

I understand that the reference is, however, to a House of Falsehood.

ただし、わたしはこれを偽りの家を指すものと理解している。

Waite は塔を「堕落したアダム」と見る説を退け、「教義の家が引き裂かれること」、それも偽りの教義の家だと読んでいます。

現代の読み方

塔は突然の崩壊と啓示を象徴する。築いてきた構造(自己像・関係・キャリア)が一気に崩れる瞬間。痛みを伴うが、その下にあった偽りの土台が暴かれる。占いで現れたとき、抗うより安全を確保してやり過ごす知恵が必要になる。

正位置

状況
予期せぬ崩壊や急な変化が、見ないふりをしてきた何かを露わにするかもしれません。
内面
怖さの裏に「やっと終わる」という小さな安堵もあるのではないでしょうか。
行動のヒント
今日は壊れたものを直そうとせず、まず安全を確保することだけに集中してください。

逆位置

状況
崩壊を恐れ、本当はもう機能していない構造をなんとか維持しようとしています。
内面
「壊れたら終わり」という思い込みが、変化の好機を遠ざけているかも。
行動のヒント
今日は最も頼りにしてきた前提を1つだけ疑い、紙に書き出してみてください。

恋愛・仕事・人間関係で出たとき

塔が恋愛で出たときの意味は?

関係の急変・破局・再構築。隠れていた問題が一気に表に出る。

塔が仕事で出たときの意味は?

解雇・失敗・大きなトラブル。長期的にはより本質的な道への転換点。

塔が人間関係で出たときの意味は?

突然の関係解消・誤解の表面化。本当に必要な人が見えてくるかもしれません。

「塔」のテーマを、誰かに話しながら整理したくなったら。

電話占いの選び方と、使いすぎを防ぐルール →

伝統的な対応

Golden Dawnではヘブライ文字「ペー(口)」、惑星では火星、生命の樹ではネツァからホドへ繋ぐ第27の道に対応する。マルセイユ版などでは「神の家(La Maison Dieu)」と呼ばれ、バベルの塔やソドムの破壊と結びつけられた。Waite は、悪が支配した「生命の家」の崩壊、とりわけ偽りの教えの家が裂けることだとする見方に賛同している。

Waite は当時広く行われていたヘブライ文字の対応を本書で採っていません。理由の二つ目:

secondly, because nearly every attribution is wrong.

第二に、ほぼすべての対応が誤っているからである。

ほかの札と並んだとき

この札を引いたあなたへ

塔を引いたあなたは、もう機能していない構造が崩れる場面にいるのかもしれません。今日は壊れたものを直そうとせず、まず自分の安全を確保することだけに集中してください。

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扇に並んだ22枚から1枚を選ぶ、無料のタロット占いです。

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出典

  • 英文:A. E. Waite『The Pictorial Key to the Tarot』(Wikisource・1910/1922刊)第1部・第2部・第3部
  • 原画:Wikimedia Commons「RWS1909 - 16 Tower.jpeg」(Pamela Colman Smith〈1878–1951〉画・1909年 Rider 社刊・パブリックドメイン)
  • 和訳と解説は当サイトによるもの。占いの結果は娯楽としてお楽しみください。